小学生向けの未来学(みんなでオリジナルロボットを考えようワークショップ)の作り方(オンライン講義の構成やヒットしたポイントなど)

小学生のための未来学のスライドオンライン授業で使ったスライド 小学生のための未来学講座

*カタリバオンラインさんのサイトより

こんにちは。

主に「ウェブマーケティング」や「テクノロジーと未来社会」に関する研修講師やコンサルティング業を生業としている株式会社イーグッドの榎本晋作と申します。

最近、企業研修や大学の講師業以外にも力を入れているのが、中高生への教育だったりします。

ただ、その流れで、小学生にも授業させてもらう機会をいただきましたので、感想と講義の構成のログを。

*小学生について:主に3,4年生を軸として、1,2年生や5年生とかもちらほら。学校ではなくNPO主催の休日のプログラムなので、わりかし活発な子が多かったです。

■なんの授業をしたか?〜未来や今のヒト型ロボットについて〜

カタリバオンラインさんのスペシャルプログラムページのスクリーンショット

そもそも、なんの授業をしたかですが、簡単に言うとこのタイトルの通りです。

『君はどんなロボットが欲しい?大学の先生と一緒にオリジナルロボットを考えてみよう!』

私が学生向けに提供しているのは、メインは「未来学」(他にも結構やってるのですが)という名前で、テクノロジーや世界の時事情報など伝え、未来を描く想像力を育むためのものです。

「想像力を育み、創造力を育てる」

ところが講義ミッションではあるのですが、小学生に人工知能だのヒューマノイドロボットだの、その辺の高校生でも嫌になるような理科用語を並べてもしょうがないので、「ロボットをつくる」というアプローチにしてみました。

僕ら世代(昭和60年代生まれ)では言えば、「勇者警察シリーズのようなロボットや、ドラえもんや21えもんのような、自分的に好きなロボットをなんなら自分でも考えてしまおうぜ!」みたいな話です。

例えがわかりにくかったらごめんなさい。

■授業の構成(クイズ・動画・ワークの3段構成でトライ)

講義メニュースライド、ちなみに小学生たちは「この猫なんだよ〜」と激しいツッコミをくれました笑。写真はsnapmartさんで購入しました。

講義の目次は上記のスライドのような感じです。

時間配分的にはクイズ大会25分、動画5分、ワーク25分(+発表)的な感じです。

動画に関しては、中国のアリババが経営する未来ホテルのロボットについて見せてみました。

*ちなみにいきなり英語の動画は小学生にはきついので、最初に説明した上で見せるのがおすすめです。

こういうの

アリババの未来ホテルのロボットのYouTube動画でロボットのイメージ

ここで大人が小学校向けに授業をするとたまにやらかすらしいのですが、小学生相手なので、使える漢字の量に制限があります。

ここは調整が難しかったのですが、今回は小学3年生くらいの常用漢字(勘で想像)をもとに、少し難易度の高い漢字はふりがなをつけるみたいな感じで対策しました。

*余談ですが、読み上げればだいたいわかってくれるので、そこまで気にする必要はなかったもようです。

■実際にやってみた雑感〜小学生が燃えたポイントや改善点とか〜

私がサンプルで考えたロボット「かっ飛ばさないオオタニくん」。ピッチングの練習をする際に、どんな球でも打ち返してくれる。私が野球を始めたのが遅かったため、ピッチャーの練習をさせてもらえなかったのがきっかけで考案。

ここからは、細かいところを解説すると、書籍になっちゃいそうなくらいあるので、雑感とポイントについて、自分の思うところを箇条書きで紹介させてください。

実際にやってみて思ったこと〜オンラインだろうが、がんがん来る小学生すごかった〜

クイズに入る前のスライド。ちなみに、ここで一番受けたのは、チョッパーのイラスト。
(いらすとやさんありがとうございます。)
  • 最初だまりこむ小学生とどういう風にアイスブレイクをしようかと悩んでいた
  • そしたら、入った瞬間、2,3人が一気にくいついてくる(参加人数は12人くらい)
  • くいついてきたきっかけは「ドラえもんの人形を画面ごしに見せた」という私のスベり覚悟のパフォーマンスです。
  • ワークをやると、多種多様なアイデアが出てきて「やっぱ、小学生の妄想力すごいわぁ」とか関心。
  • ワークは「いきなりロボットをつくれと言われてもアイデアでないのでは・・・」と思っていたが、そんな心配は一切不要で5分でつくる子もいた。
  • ロボットを考える工程を3つに絞ったのがよかったかも
  • 自分が絵心がない分、イラストが苦手な子のハードルが最初に下がった(はず)
  • 絵が苦手な子向けに似たイラストをググって真似てみるところからスタートさせるとよいと伝えておいてよかった気がする。(ただし、本当は苦手でもそういうの見ないで自由に描いてほしい)
  • 発言しがたりな子だけを当てると盛り上がるはするが、全員の成長を願うのであれば、発言を控えている子を直接当てる工夫が大事。
  • チャット欄の方が発言しやすい子もいたりするので、声がけしておくのと、チャットを常に見て読み上げる習慣をつける。
  • ロボットをつくる際に「人件費」「原材料費」などやたら会計を気にする子どもがいたのがおもしろかった(ここをどう拾うかがむしろ、講師としての腕を試されている気がする)

ここはまだ改善の余地あり〜効果音はとにかく食いつくので手を抜かない!オンラインは特に!〜

クイズのスライド。大学生や高校生と同じく、意味不明な回答(ここでは「のあにゃん」)を混ぜておくと盛り上がるという予想が的中。*ちなみにのあにゃんはAIがテーマだった「仮面ライダーゼロワン」で秘書ロボットのイズ役を演じたPOPTEEENのトップモデルのあだ名です。(どうでもいい知識・・・。)

物事は改善点の振り返りが大事だという心情で、自分的な改善点を何点か。

  • スライドの交換をもっと入れてもよかったかも。(かなり入れたつもりだったのですが、全部に入れてもいいくらいに効果音に食いついていた)
  • しんさく先生よりも呼びやすい名前の方がよかったのでは?(名前を呼んでもらいやすいかは、わりかし、大事な気がした)
  • 時間守れ、俺(60分のところを65〜70分ほどいただいてしまった)
  • そもそもクイズのスライドを動画埋め込みにしてロボット動かしてもよかったのでは?(パワポをもっと動かす)
  • LOVOTのウケがめちゃくちゃよかったのでもっと題材に使えばよかったかも。(アフタートークで判明)
  • 少し早口でしたね、自分・・・。

創造力で子どもと本気で勝負する!

小学生に限らず、自分が学生に対して、講義を行う際に、いつも思うことは「想像力と妄想力で絶対に負けないこと」です。

ちゃんとした大人だったら、「主体性を伸ばす」とか「枠を外してあげる」とかそういうかっこいいことを言えると思うのだと思うのですが、ごめんなさい。

そういうのは前提としてもちろん意識はしているのですが、その前に今回、自分は「かっとばさないオオタニくん」という榎本ロボットで、小学生に惨敗した感がありました。

恥ずかしながら、そのことで「子どもの創造力すごいなぁ」という大人的な心の広さは持ちつつも、その気持ちよりも「やべ、負けてる・・・」という気持ちが強く、若干悔しかったです。

想像力や創造力、ひいては主体性が必要なのは、小学生や中高生に限らず、成人した自分もそうだと常々感じています。むしろ、社会をつくる大人こそ必要なのは・・・・。

という、最終的には圧倒的に大人気ない結論になってしまってはいますが、「わかりし、共育ってこういう話なのかもなぁ」とかそれっぽい結論で締めさせていただけましたら幸いです。

というわけで、次回は小学生に負けないロボットつくります(燃)!

榎本の方でオンライン含む講義・講演・ワークショップ等も開催しておりますので、詳しくはサービスページをご覧いただけましたら幸いです。

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